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厚生年金の長期加入特例について   [2012.11.21]

「老齢厚生年金の長期(44年)加入者特例について」 

 

顧問先のA社は、労務管理に造詣が深く、早くから老齢厚生年金・高年齢雇用継続給付を活用した高齢者雇用のプランをデザインされた事業所です。 

先日、とある大手企業を定年退職されたW氏を採用しました。

 W氏は中学卒業以来、定年退職を迎えるまで、45年間ひとつの会社で勤め上げた熟練工です。

 

ここ数年の間に定年を迎えた男性は、60歳から報酬比例部分(厚生年金加入時の給与に対応する部分)の老齢厚生年金が支給されますが、定額部分(老齢基礎年金に相当する部分)の老齢年金は65歳になるまで支給されない制度になっていることは、雑誌・新聞などでも紹介されることが多いので、ご存知の方も多いと思います。

ただし、60~64歳までの老齢厚生年金には特例があり、44年以上厚生年金に加入していた方については、その方が会社を退職したり、短時間労働者になって厚生年金の被保険者でなくなったときには、65歳に到達する前であっても定額部分(老齢基礎年金相当部分)の老齢厚生年金が受給できる定めがあります。

 

Wさんは、この制度を利用して、長きにわたり勤め上げた会社を定年退職した際、継続雇用や再就職を選択せず、いったん職業生活を引退し年金生活者として、長年の疲れをいやしつつ「命の洗濯」をされていました。

失業保険に関しては、老齢厚生年金と同時に受給ができないため、この特例による老齢厚生年金の金額が失業保険の金額より高かったので、年金受給を選択していました。

 

しばらくは、悠々自適に余暇を楽しみながらシルバーライフを満喫されたそうですが、そこは、45年間ひとつの会社で休みなく働き続けたW氏。元来働き者で、今までつちかってきた熟練工としての技術を活かしながら、楽しみながら働きたい・・・という希望が湧き上がり、ご紹介によりこのたびA社へ短時間嘱託社員として入社する運びとなりました。

 

厚生年金保険の被保険者とならない短時間労働者の場合、長期加入特例は継続して有効です。給与の設定金額、手取り収入のシミュレーションをしてみて、あらためて効果のほどを実感しました。

 

なぜなら、通常の年金受給者と比べて、年間120万円、65歳までの5年間で600万円近くの年金を上乗せして受け取れるからです。

 

内訳は「定額部分年金(老齢基礎年金相当)80万円、配偶者加給年金額40万円」といったものです。

120万円といえば、パート主婦が相当時間勤務して、1年間に支給される給与額に近いものがあります。

年金制度を熟知して活用し、カラダに優しく、職業経験を最大限活かしながら、生き甲斐として楽しみながら働く・・・・高齢者雇用のひとつのお手本を見るようです。

 

前述のように、定年退職時に失業保険を受給していないので、要件に合えば雇用保険から毎月の給与額に対して15%の給付金が補填される「高年齢雇用継続給付金」制度も活用できると思います。

 

改正高年齢者雇用安定法とのカラミもあり、今後は厚生年金被保険者44年長期要件を満たす高卒従業員が多数出てくるものと思われます。

高卒でほとんど切れ目なく働いてきた場合、62歳時点で44年厚生年金加入実績ができると、今回同様に制度活用が可能になるでしょう。

 

会社の事情、本人の健康状態等、諸事情により、すべての方がこの制度を活用できるわけではありませんが、制度を知っていれば選択肢が増え、労使お互いにメリットのある雇用契約が締結できるかもしれません。

 

以下、制度について記載します。参考にしてください。 

 

 

 

【厚生年金保険の長期加入特例】

[1]60代前半の老齢厚生年金は「報酬比例部分」と「定額部分」から成り、以前は60歳から両方とも受

    け取れました。

しかし、法改正により定額部分の支給開始年齢が徐々に引き上げられ、昭和24年4月2日以降生まれ

の男性、昭和29年4月2日以降生まれの女性は、報酬比例部分のみ受けることになっています。

 

[2]長期加入特例とは

例外的なケースがあります。

厚生年金保険の被保険者期間が44年以上ある「長期加入者」については、60歳から64歳の間で老齢

厚生年金の支給開始年齢に到達していれば「報酬比例部分」と「定額部分」の両方が支給されます。

ただし、下記の要件がありますので、注意が必要です。

 

『長期加入特例の条件』

①     厚生年金保険の加入期間が44年(528月)以上あること

②     厚生年金保険の被保険者でないこと(44年以上加入者であっても、厚生年金保険に加入して

在職している間は、この特例は適用されません)

③     老齢厚生年金の支給開始年齢に到達していること

※     ②については「みなし退職」として、厚生年金保険に加入して働いていないということも可。

             すなわち、社会保険(厚生年金)に未加入で、短時間パートなどの働き方をしていても良い。

 

[3]長期加入特例の効果

①     定額部分の年金額が支給される・・・約79万円

②     要件に該当すれば、加給年金額も支給される・・・配偶者加給年金額 約39万円

 

イメージ図(Wさんの事例)


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