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減給の制裁について [2013.05.10]
従業員が会社内で不良行為等を行った場合に、給与の減額による懲戒をしたいというご相談を受けることがあります。
具体的には、経営者の皆様から「減給はどこまでしていいのか?」という形でのご質問をいただきます。
今回はその質問に回答する形で、労働基準法上で決められている制約を以下記載いたします。
参考にしてください。
【Q】
減給制裁に上限はないのか。
【A】
上限はあります。制裁一回の額が平均給与の1日分半額の範囲内で、かつ総額が一カ月の給与月額の10分の1以内でなければなりません。
(解説)
【ノーワーク・ノーペイの原則】
ノーワーク・ノーペイの原則とは「労働なければ賃金なし」という原則です。会社は社員に給料を支払っています。社員は給料をもらう代償として、労務を提供します。このような双務契約ですから、労務の提供がない部分については、賃金を支払う必要はありません。
しかし、減給には上限があります。なぜなら、給料は社員の生活基盤を支えるものだからです。無制限に減給をしてしまうと、社員の生活が不安定になってしまいます。
減給の上限(労働基準法91条)
①1回の額が、平均賃金の一日分の半額を超えないこと
②一賃金支払期に発生した数事案に対する減給の合計が総額の10分の1を超えないこと
※法定の上限を超える制裁は、超えた部分につき無効とされます。なお、遅刻や早退の時間に対する賃金を支払わないことは、「制裁」とならないので、制限はありません。
【例】20分遅刻した場合に月給の3分の1を減給した。
労働基準法違反で無効な処分となります。しかし、すべて無効ではなく、法定内の部分の減給は有効です。平均賃金の1日分の半額以内で、月給の10分の1以内の減給は可能となります。
→減給は効果的な制裁方法ですが、運用は慎重に行う必要があります。就業規則等制裁規定を設ける場合は、制裁される具体的な項目の適否を事前に調べておくと良いでしょう。また、減給規定については、その額についてきちんと定めておくことも大切です。
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