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2014年8月

労働組合法とは   [ 2014.08.27 ]

労働者と企業(使用者)が労働条件を結ぶ上で、1人1人の労働者の力では使用者と対等な立場に立つことは難しく、実質的に労働者と使用者が対等な交渉ができるように、憲法では下記の労働三権が保障されています。

1、団結権(労働組合を結成する権利)

2、団体交渉権(労使間の団体交渉を保障する権利)

3、団体行動権(ストライキ等の合法的な労働争議を行う権利)

これらの権利を明確にするために制定された法律が、「労働組合法」です。


不当労働行為

労働組合法の中で、最も知っておいて欲しい箇所は、労働組合法第7条に制定されている下記の「不当労働行為:使用者がしてはならない行為」です。

・不利益取り扱い

→労働者が労働組合を結成しようとしたこと、もしくは組合員として活動したことなどを理由に、その労働者について解雇等、不利益を与える取り扱いをすること

・黄犬契約

→労働組合に加入しないこと、組合を脱退することを条件とした採用活動をすること

・団体交渉の拒否

→正当な理由なく、労働組合からの団体交渉の申し入れを拒否すること

・支配介入

→労働組合の結成、運営に対し、会社が介入したり、支配すること

・経費援助

→労働組合の運営のための経費を、会社が援助すること

・報復的不利益取り扱い

→労働者が「不当労働行為」の申立てをしたこと等を理由に、解雇等の不利益取り扱いをすること

労働組合法は、使用者に対して、労働組合からの団体交渉に応じ、誠実に交渉する義務を課しています。しかし、交渉が行われたからと言って、労働組合の要求を会社が受け入れなければならないわけではありません。受け入れられない理由を明確に示したうえで拒否することは、当然にできます。労働組合と関わる場合は、労働組合法上の不当労働行為をしないことを前提とした姿勢で臨むようにしましょう。

法令新着ニュースを更新しました!   [ 2014.08.22 ]

法令新着ニュースを更新しました。

http://takahamaroumu.jp/hourei


今回のテーマは


1.「多様な正社員」の円滑な導入・運用のための提言

2.労働災害のない職場づくりに向けた緊急対策について

3.国外財産調書の提出状況について

4.航空機内における電子機器の使用制限を緩和


以上4件です。参考にしてください。

労働法の全体像   [ 2014.08.21 ]

人を雇うときに関連する法を総称して「労働法」と言いますが、具体的には以下のような類型に分かれています


1、個別の労働関係にかかるもの

労働基準法

労働契約法

労働安全衛生法など


2、集団の労働関係にかかるもの

労働組合法

労働関係調整法など


3、雇用のマーケット(求人や求職)にかかるもの

職業安定法

雇用保険法

労働者派遣法

男女雇用機会均等法など


労働契約とは、「賃金を払うこと」と「労務を提供すること」を交換しあう契約ですので、原則論としては、給与を払う限り「会社の言うとおりに働きなさい」と命令することができます。

ただし、もちろん相手は人間ですから、その人権は尊重されなくてはなりませんし、ひどい労働環境を強いることがあってはなりません。そのため、使用者(会社)の行き過ぎた行動を抑制・制限する目的で労働法が整備されてきました。それぞれの類型ごとに定めてある制限内容例は以下の通りです。


1、個別の労働関係にかかるもの

一日などの労働時間の上限、休日の最低日数、有給休暇の最低付与日数、解雇のやり方、職場の衛生管理方法、雇用契約期間設定など


2、集団の労働関係にかかるもの

賃金やその他待遇について労働者側が集団で交渉することを拒否できないなど


3、雇用のマーケット(求人や求職)にかかるもの

求人条件の最低ライン、派遣方法のルール、性差別の制限など


現在は雇用形態の多様化や社会情勢の変動から、労働法も多岐にわたります。自分の会社に特に関連する労働法は何か、どのような点に注意すべきかについては、社会保険労務士など専門家に相談し、一緒に整備をすすめていくとよいでしょう。

退職勧奨のポイント   [ 2014.08.19 ]

退職勧奨とは、会社側が労働者に退職の誘引をすることを指します。

つまり、「退職をしてはどうかと提案する行為」をいい、相手の意思に関わらず一方的に雇用契約を解消する解雇とは異なった取り扱いをします。

日本における厳しい解雇規制とのバランスを取るために、退職勧奨は裁判などの場では比較的広く認められる傾向があります。裁判でも、退職勧奨行為自体が違法とされるケースは多くありません。例えば、退職を拒否しているにもかかわらず10数回以上に及びしつこく退職を迫る、または退職勧奨を受け入れるまでは軟禁状態で攻め続けるなどの極端な場合にのみ違法性が認められています。

では、退職を提案する理由としてはどのようなものがあるのかというと、極端な言い方をすれば「労働者側が条件を呑むのであればどんな理由でもいい」と言えます。つまり交渉の仕方次第でトラブルを防ぎ穏便に退職につなげることも可能です。

実際に退職勧奨をする理由としては(1)経営状況の悪化による人員整理(2)本人の能力不足(3)同僚や取引先からの苦情などが考えられますが、会社側としてはまずそれらの理由を客観的に説明できる資料を持って交渉に臨む必要があります。客観的な事実に基づいて会社が退職を提案していることを率直に伝え、相手方の立場や生活環境も考慮しつつ真摯に説得を試みてください。通常、退職の提案をするからにはいくらかの見返りや当人にとってのメリットを同時に提示して交渉するほうがうまくいくことが多いでしょうから、退職金や賞与の割り増しなどの条件提示を検討する必要もあります。

とにかく、退職勧奨は感情論による対立を出来る限り防ぎ、あくまで大人同士の交渉としてドライに行うことがトラブル予防のためには大切です。

法令新着ニュースを更新しました!   [ 2014.08.12 ]

法令新着ニュースを更新しました。


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今回のテーマは


1.働きながら妊娠・出産・育児をされる方へ

2.平成26年度の地域別最低賃金額の改定目安について

3. 8月1日から高年齢雇用継続給付等の支給限度額が変更!

4.「案内用図記号」のJIS規格が改正


以上4件です。参考にしてください。

産前産後休業期間中の社会保険料免除に関して   [ 2014.08.09 ]

① 産前休業とは

労働基準法65条1項において、「6週間以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合には、その者を就業させてはならない」、と定められているため、出産前の従業員を休ませる期間を産前休業と呼びます。

産前6週間の期間の計算は、出産予定日を基準とすることから、出産が予定日より遅れた場合は、その延長された期間も産前の休業期間に含まれます。

② 産後休業とは

労働基準法65条2項において、「産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない」と定められているため、出産後の従業員を休ませる期間を産後休業と呼びます。

上記、①②を合わせて「産前産後休業」と呼び、

平成26年4月から、「産前産後休業」をした方は育児休業期間中と同様に、社会保険料納付の免除を受けることができるようになりました。

・対象者

平成26年4月30日以降に産前産後休業が終了となる方(平成26年4月分以降の保険料)が対象となります。

・対象期間

産前42日・産後56日のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間の保険料が免除されます。

・必要な手続き

産前産後休業期間中に、「産前産後休業取得者申出書」を提出する必要があります。

この制度は、平成26年に始まったものであるため、申請手続きを忘れないように注意してください。出産・育児に関するこれらの手続きや情報提供等バックアップ体制を整えることは、ワークライフバランス実現や次世代育成のためにも重要です。

社会保険料の加入期間と保険料徴収に関して   [ 2014.08.04 ]

【社会保険の加入期間】

従業員が入社し社会保険に加入した場合、その日を「資格取得日」と呼び、

従業員が退職し社会保険から外れた場合、退職日の翌日を「資格喪失日」と呼びます。

社会保険の加入期間(被保険者期間)は1ヶ月単位で表示され、「資格取得日の属する月」から、「資格喪失日が属する月の前月」までが算入されます。

【保険料徴収】

社会保険料が徴収されるのは、被保険者資格を取得した月から、被保険者資格を喪失した月の前月までの分となります。

例えば...

① 4月1日に入社し、5月30日に退職した場合

→4月分の保険料を納める必要があります。

② 4月30日に入社し、5月30日に退職した場合

→4月分の保険料を納める必要があります。

③ 4月1日に入社し、5月31日に退職した場合

→4月分、5月分の保険料を納める必要があります。

「資格喪失日」が翌日(6月1日)となるため、資格喪失月が6月になり、その前月の5月分も保険料を納める必要が出てきます。

【社会保険料控除】

保険料は、労使折半となっており、従業員が負担する保険料は、会社が給与から天引きして、会社負担分と合わせて会社が納付するしくみです。

その場合、前月分の保険料を当月の給与から控除することになるので、4月分の保険料は5月給与からの控除となります。

月末退職の際には、給与から当月分の社会保険料が引かれているかに気を付けなければなりません。また、納付した保険料額は、将来もらえる年金額に関わってくることからも、毎月、正しい保険料が引かれているか確認をするようにしましょう。

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