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2016年3月

無断遅刻・欠勤が多い社員にどのように対処したらよいか?   [ 2016.03.29 ]

社員が無断で遅刻したり、欠勤したりする場合、会社はどのように対処すればよいでしょうか。

前提:遅刻欠勤は労働契約上の違反

無断で遅刻したり欠勤したりということは、労働契約上の労働者としての義務を果たしていない、つまり債務不履行をしていることになります。労働者は会社に対して「決められた条件で働く」という義務を負っていますし、会社は労働者に対して「決められた賃金を支払う」義務があります。

ポイント1 事実と理由の確認

まずは無断遅刻・欠勤の事実があったか、ならびにその理由を確認しましょう。遅刻または欠勤の連絡が誰に対してもなかったのか、連絡すべき相手にしていなかったが何らかの連絡をしているのかを事実確認してください。

また、理由が止むを得ない理由であるかどうか、本人から申し開きの機会を与えるとよいでしょう。

ポイント2 遅刻・欠勤に対するルール確認

会社としてのルールがあいまいで「なあなあ」になっていないかを確認してください。

実態として遅刻欠勤に対する罰がなされていない場合や、人によって罰を与えたり与えなかったりという場合であれば、会社としても無断遅刻や無断欠勤を咎める根拠が弱くなります。

遅刻や欠勤については始業時刻の○分前までに電話(またはメール)で××課長に連絡をいれること、などのルールを決め、就業規則などに明記してください。

ポイント3 賃金の減額

約束の時間を働いていないことにより、その時間分の賃金を差し引くことは、原則としては「ノーワーク・ノーペイ」のルールにより可能です。そのほか罰を与えたい場合は、就業規則などにペナルティについて規定し、指導目的で懲戒処分を検討してください。

 

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パワハラにならない部下指導のポイント【管理職向け】   [ 2016.03.18 ]

パワハラとすぐに言われる時代になりました

最近、ハラスメントという言葉を聞くことが多くなってきました。

指導する立場の人からすると、少し指導しただけですぐにハラスメントと言われてしまうのではないかと萎縮してしまうという相談をよく受けます。

特に部下を叱るのが難しいと感じられる管理職が増えてきたようです。確かに叱るのはとても難しいです。特に難しいのが自分自身がイラッとして怒っているときです。そのような時に部下に指導するとかなりの確率でパワハラだといわれかねない懸念があります。

自分自身が怒りを感じた時、パワハラだといわれずにうまく叱るためにはどうしたらよいでしょうか?

一つのポイントとして、イラッとしたときに一度席を離れてトイレの個室に入るというものがあります。

これは、心理学的にはタイムアウトという技法で、今おかれている環境からいったん自分を切り離すことになります。

怒りにかまけて指導してしまうと、どうしても余計なことを言いがちです。そうではなくいったん自分自身をクールダウンし、その後冷静に行動だけを指導することが、ハラスメントと言われない指導のコツになります。

またハラスメントと言われないだけではなく、冷静に一度検討してから指導するため指導効果も高くなるというメリットもあります。

イラッとしたとき、ぜひ一度試してみてください。


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うつ病かも?安易な診断書取得に潜む危険   [ 2016.03.15 ]

うつ病と聞いても驚かない時代になってきました。

うつ病という言葉を聞くことが珍しくなくなってきました。例えば、職場で「〇〇さんうつだって」などということを聞くことが珍しくなくなってきました。

実際にうつ病などの精神疾患でお休みしている人は増えてきています。

これは精神疾患事態が増えているというよりはむしろ、精神疾患についての知識やなにか偏見といったものが変わってきているのも要因の一つかなとも考えられます。
以前はうつ病などの精神疾患は、なかなか周囲に開示することは難しいという風潮がありました。

専門的にはスティグマとも呼ばれ、見かけ上精神疾患の方の数を少なくしていたと考えられています。
現在では、情報も氾濫し、そのようなスティグマも減少し、今までとは逆で積極的にうつ病であるということを開示する人も増えてきました。

ネットで調べるとどのように言えば診断書をもらえるといった情報まであるぐらいです。


安易な診断書取得の危険性

では、そのような情報をもとに安易に診断書を取得した場合どのようなことになるでしょうか?

1. 周囲からの信頼を損なう
嘘をもとにした診断書では、いつか周囲にばれてしまいます。例えば復職後に飲み会でどのように言えばうつの診断書をもらうことができるかを吹聴しまわった人がいました。そのような場合同僚や上司、会社からの信頼を取り戻すことは難しく、後々自分の首を絞めることになるでしょう。

2. 次に困難に直面化したときにまた同じことを繰り返す
一度困難に直面したときに、うまく逃げる手段として例えば診断書を入手して休むことを覚えてしまうと、次回も困難に直面したときに立ち向かうことができなくなってしまいます。長期的に見てご自身のためにはならないことは明白です。

3. 転職の際にも不利になる
転職活動をしているときに、過去に体調を崩してお休みをしたことがあるかどうかを聞かれることがあります。そのような時に休職していたことがあると不利に働くことが多いです。またそのような時に虚偽申告をすると後々明らかになった時に懲戒事由になることがあります。


体調が悪いときにお医者さんにかかり適切な診断を受けることはもちろん大切です。きちんと症状を伝えて適切に診断を受けるべきです。

しかしながら、ネットで書いてある情報を鵜呑みにして安易に病状を装うのは、周囲はもちろん自身のためにも絶対に慎むべきです。長期的にみると自分自身の首を絞めることになりかねません。

このようなある意味診断書の悪用にならないように会社では、頑張っている人をきちんと評価すべきです。

 

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パワハラの定義   [ 2016.03.10 ]

パワハラについて、国がその定義を発表しています。

厚生労働省が発表した「職場のパワーハラスメント」の定義は以下の通りです。

「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」

この定義によると、職場内の優位性は必ずしも上司と部下の間にだけおこるものでなく、同僚間や部下から上司に向けても起こりうるとしています。

さらにパワーハラスメントに当たる具体的な行為を6つの類型に分けて示しています。

職場のパワーハラスメントに当たる行為の類型

暴行・傷害(身体的な攻撃)脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

つまり、職場で行われている何らかの行為が1~6に該当する場合で、前述の定義に合致するならば「パワハラ」だということになります。

パワハラは受け手の認識により成立する

パワハラは行為だけを切り取って判断するものではなく、行為を「受けた側がどう認識したか」と合わせて考える必要があります。例えば、私的なことに立ち入った質問を上司が部下にしたとしても、部下がそれを不快に思わなければパワハラとして成立しないでしょう。

ということは、行為ばかりを糾弾してもナンセンスで、職場において苦痛を感じている人間がいないかを監視する機能を会社に持たせることが大事でしょう。


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ストレスチェックでよく聞くストレスとはそもそも何か?   [ 2016.03.03 ]

2015年12月1日からストレスチェック制度の実施が義務付けられました。多くの企業で来年の11月30日までにストレスチェック制度の実施をしなくてはならなくなり、この制度への関心が高まっています。

【では、ストレスチェック制度でよく聞くそもそもストレスとは何でしょうか?】

現代はストレス社会と言われています。

ストレスという用語は、ハンス・セリエ(Hans Selye)が提唱した概念で、元々機械工学の専門用語であり、『外力が物体に加わった場合の歪み・不均衡』という意味を持っていました。

ストレスがかかると物体が変化するというある意味当たり前の現象のことを、ストレスと呼んでいたわけです。この時の外力のことをストレッサー、歪みや不均衡のことをストレス反応と呼びます。

代表的なストレッサーの種類には、温熱、寒冷、痛覚、圧力、光、騒音といった「物理的ストレッサー」、薬剤、有害化学物質、環境ホルモン、化学合成物といった「化学的ストレッサー」、細菌、ウイルス、カビなどの「生物学的ストレッサー」、人間関係の葛藤や社会的行動に伴う責任や重圧、将来に対する不安、大切な人の喪失体験、経済的困窮などの「精神的ストレッサー」があります。

つまり、外部からの変化がストレッサーであるといえるのです。

しかしながら、人間で考えるとわかるのですが、すべての人が同じストレスにあったからと言って、同じようにストレス反応があるわけではありません。

想像してみてください。同じ職場で同じ仕事をしているのに、体調を崩す人とそうでない人がいますよね?
そのために心理学の世界ではいろいろなストレスモデルが提唱されているわけですが、今回は認知行動モデルをご紹介したいと思います。

例として、難しい仕事を担当することを上げましょう。ストレッサーに対して、どのように捉え、対処するか、その結果ストレス反応がどうなるかというモデルになっています。

大切にはこのどう捉えという部分で、心理学的には認知と呼んでいます。
つまり同じストレッサーであっても、人それぞれストレッサーをどう捉えるかは異なってきます。そのことがストレス反応に大きな影響を及ぼしていると考えるのです。

また認知行動理論では、認知と行動と感情と身体反応が相互に関連していると考えています。ですので個人への関与の際には、変えやすいところから変えるというのが基本的な考えとなっています。

① ストレッサーそのものを減らす
② 認知を変える
③ 行動を変える
④ 身体反応を変える
⑤ 感情を変える

のどれか変えやすいところから変えていこうというのが主なかかわり方となります。

①認知を変えるためには、認知行動療法の技法を使い、その認知が果たして適応的なのか、カウンセリン グを通じて見直していきます。
②行動を変えるには、行動実験を通じて行動を変更して言ったり、エクスポージャーという技法を使って 行動からくる身体反応であったり感情を変化させることにより、行動の持つ価値を変えていきます。
③身体反応を変えるには、リラクセーション技法を通じてこれまでの身体反応を変更させていきます。
④感情を直接変えるのはなかなかむつかしく、①②③通じて変化を促していくことが大切です。

個人に関わる際には、どちらかというと認知行動理論によるストレスモデルがよく、集団に関わる際には職業性ストレスモデルによる介入も良いと考えられます。

職場のストレスを物理的に減らすことができれば、ストレス反応は当然減らすことができます。しかしながら、実際の職場においてストレスを減らすことはなかなか困難でしょう。社員のストレスを減らすために、仕事を減らしますというのは実際の経営ではなかなか考えることはできません。

では、職場のストレスを物理的に減らすことができないときにはどうしたらよいでしょうか?

職業性ストレスモデルに基づき考えると緩衝要因を増やすことが大切になります。この場合の変えることができる緩衝要因とは、上司や同僚・周囲からのサポート、仕事の満足度等です。良好なコミュニケーションが行われている職場ではストレスが低くなります。

そのために研修や社内行事を通じてコミュニケーションを活発にさせるなどの施策が大切になってきます。またそのような風土が作れるような人事制度作りも併せて大切です。


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