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2013年4月

トラブルを防止する雇用契約書の書き方のコツ   [ 2013.04.17 ]

雇用契約書に潜むトラブルのタネ、今回は「試用期間」についてです。


試用期間は法律上定めなければならないものではありませんが、実際には社員としての適格性を見るために(あるいは労働者側が会社の風土にならって働けそうかを判断するために)試用期間を定めることが多いです。

また、試用期間は1~3ヶ月とするケースが最も多いです。これについても法律上の根拠があるものでなく、半年でも1年でも構いませんが、あまり長い試用期間が実際には採用されていないことから、長すぎるものは実用性に欠けるのでしょう。


では試用期間にどこにトラブルのタネが潜んでいるか。それは

①試用期間中ならいつでも即時解雇できるという会社側の誤解

②試用期間で適格性の判断ができない場合の取り扱いについてのルール未整備

この二つが挙げられます。


①試用期間中であっても雇い入れから14日を経過した場合は、30日以上前の解雇予告が必要です。また、解雇には合理性と社会通念上の相当性が必要です。

②試用期間の延長の可能性についても雇用契約書上で言及するとよいでしょう。
同時に、就業規則上も試用期間延長の規定をしておきましょう。


試用期間はよく「お見合い」に例えられます。ミスマッチが起らないように自社に合った定めをしましょう。

転勤命令について   [ 2013.04.12 ]

社員を転勤させる時、会社は一方的に勤務場所を変更できるのでしょうか?

完全に勤務地を限定している場合は、社員の同意がなければ変更はできません。しかし、そのような特約がなく、就業規則や雇用契約書に転勤の可能性が記してある場合には、常識的な範囲内で転勤命令ができます。

 

【転勤命令ができる条件】
労働契約を結ぶ際には、「就業の場所」や「職務の内容」など重要な労働条件をきちんと説明する必要がありますが、「転勤の可能性があるかどうか」も明示しなければなりません。この際に、勤務場所を限定していたのであれば、転勤命令は認められないでしょう。

逆に、そのような特約をしていない場合で、長期の雇用を見込んで期間の定めのない契約(※)を結んでいる時は、一定の期間が経過して条件がそろえば、会社は業務命令として社員の職務内容や勤務地を変更する権限を有すると考えられています。

※いわゆる正社員としての雇用契約

その条件とは、次のようなことです。

  1. 就業規則、雇用契約書などに、転勤を命じる場合があることを明記していること
  2. 業務上の必要性、合理性があること
  3. 場合によっては前例があること

まずは、1.就業規則や雇用契約書に転勤の可能性について記載されていることが求められます。そして2.人員の適正配置や、会社組織編成の変更、組織活性化等の目的で人員を移動する必要性がある、対象者の選定に一定の合理性があることも必要でしょう。さらに、3.その会社で同じように転勤命令が慣習化されているという状況も場合によっては必要です。

 

【転勤命令が無効になる場合】
これらの条件が整っている場合、原則として社員は特別な事情がない限り転勤命令を拒否することはできません。ただし、次のような場合にはその転勤命令は無効となることもあるでしょう。

  1. 業務上の必要性もなく転勤を命じる場合
  2. ほかの不当な目的で転勤を命じる場合
  3. 転勤命令が、社員に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合

会社は転勤の命令権を持ちますが、持病を持つ者や家族の介護をしている者など、私生活上特に配慮が必要な社員に対する転勤命令は慎重に判断する必要があるでしょう。

 

王子の恋人・・・   [ 2013.04.06 ]

最近、自宅の庭にいつもきている野良ちゃんがいます。

じーっと我が家のリビングに視線を送りながら、長いときは10分くらいその場で身動きもしません。

どうやら我が家の王子イチローくんに興味があるようです。きっと女の子なのでしょう。

以前は5mほど先から覗いていたのですが、最近はどんどん積極的になり、テラスに上り込んで

リビングの窓越しにウチの王子を誘惑?している模様です(笑)

世間知らずのイチローくんは、恋のしかたも知らないようで、気まずそうに目線をそらしてしまいました。

ネコの世界でも「草食男子」「肉食女子」なるものがあるのでしょうか?

やはり、過保護に育てすぎた親(私)の責任でしょうね。

・・・・ちょっとカッコ悪いイチローくんでした。

労働者からの退職申し出期間について   [ 2013.04.02 ]

社員が会社の慰留を受け入れず、一方的に退職をした結果会社が損害を受けた場合、損害賠償を請求できるのでしょうか。

期間の定めのない雇用契約をしている社員が2週間前に退職を申し出ている場合、民法上退職は認められ、退職を理由とする損害賠償を請求できないと考えられます。

 

【社会通念上の対応】
労働契約には、期間を定めたものと、期間の定めがないものとがあります。期間を定めた契約を結んでいるときは、やむを得ない事情がない限り、期間が満了するまで退職することは認められません。

しかし、期間が定められていない契約の場合には、基本的に社員は会社の許可を得ることなく、いつでも退職できます。

とは言え、社員が任せられている職務を引き継ぎせずに即日退職をすると、会社の営業に不利益を与えることになります。やはり事前に申し出をすることが「社会通念上」は求められます。では、法律上はどのようになっているのでしょうか。

 

【法律上の対応】
実は、労働基準法をはじめとする労働諸法令では、社員側からの退職申出の期日については特に定められていません。一方で、民法では以下の様に定められています。

<民法第627条第1項>
期間の定めのない労働契約については、各当事者はいつでも解約の申し入れをすることができ、解約の申し入れから2週間を経過することによって終了する。

つまり、社員側からの退職申し出については、一般法である民法の規定が適用され、原則として2週間以上前に申し出ればよいことになっています。今回のケースでは、2週間前という条件を満たしていれば、退職申し出そのものは有効になります。

 

ところで、就業規則上はしばしば「一般社員は1ヶ月前、役職者は3ヶ月前」などと民法上の規定よりも長めに期間を定めていることが多いですが、これは実は会社独自のルールとして定めているにすぎず、法律上は民法の規定が優先します。ただし、実務上は就業規則には長めに期間を定め、会社の慣習として退職社員の協力を求める方が良いでしょう。

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